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I.S.U クラシック 2012年

レポート


Surfing for all / がんばろう日本!
ジャパンプロサーフィンツアー2012 ショートボード第5戦
第17回 I.S.U 茨城サーフィンクラシック ガッチャ・ジーランド カップ

第17回I.S.U茨城サーフィンクラシック・ガッチャ・ジーランドカップが、9月7日(金)から9日(日)までの三日間、大洗水族館前で開催された。JPSAジャパン・プロサーフィンツアー2012ショートボード第5戦目に当たる大会となるため全国各地からプロサーファーがこの地に集結し、大きな盛り上がりを見せた。大会期間中、海岸には青空から強烈な直射日光照りつけ、連日に渡り厳しい猛暑が続いた。大会前、波はフラットに近い状態で大会の開催が懸念されていたが、大会初日の早朝には腰から肩ほどの波が押し寄せて、それも一気に払拭された。さらに大会二日目の早朝は、オフショアの風が吹いて、オーバーヘッドのうねりが押し寄せ、昨日を遥かに上回る良質の波が堤防横でブレークしていた。日中は弱い南からのオンショアの風に変わったもの、一日を通してよいコンディションの中で大会は進められて行った。最終日の三日目も、波のサイズはコンスタントに腰から頭程あり、弱いオンショアの風ながら、申し分の無いコンディションの中で大会は無事終了に至った。

大勢のギャラリーが見守る中、女子ファイナルヒートは開始された。長年に渡り女子プロサーフィン界に女王として君臨する谷口絵里菜に対するは、現時点でランキング1位を維持する若手の庵原美穂。予選から快調に飛ばし続ける庵原とは対照的に、不振だった大会序盤から尻上がりに調子を上げて来てファイナルヒートに勝ち上がった谷口。やや庵原有利かと思われた。しかしファイナルヒートが始まると、そこにはこれまでと違う谷口がいた。よい波を捉え多彩な技を繰り出す谷口がいた。ヒート開始から先に先にと勝負を仕掛けて指導権を握り、試合展開を有利に進めて行った。追う展開は庵原とって想定外だったのか、試合巧者の谷口にしてやられてしまった。同時に、谷口の短時間での修成能力の高さには感服させられた。大会のメインイベントとも言うべき男子ファイナルヒートが開始される頃には、暑さと共にギャラリーの盛り上がりは最高潮に達していた。ここまで勝ち上がってきたのは、茅ヶ崎の大橋海人と国ノ浜の仲村拓久未。大橋が20歳、仲村が16歳とフレッシュな対戦となった。ヒート序盤は、よい波を捉えて縦への攻撃が功を奏した仲村がリードしていた。しかし、ヒートの前半が終わろうとする頃になると、大橋は自身の導火線に火を付けたのか、後半にはそれが大爆発した。燃え盛る大橋には手の付けようがなかった。まるで遊び楽しんでいるかのように自由奔放なサーフィンを披露し、決して仲村も悪くなかったが、まさに大橋の独壇場となってしまった。大橋のパフォーマンスには、ギャラリーがため息をつく程に魅せられていた。この大会期間中を通して、大橋と仲村のサーフィンは際立っていたが、その2人の一騎打ちは大橋に軍配が上がった。ファイナルヒートの終了後、個人技を競うエクスプレッション・セッションが行われ、一番高く宙を舞った林健太がベスト・パフォーマーとなり賞金10万円を勝ち得た。賞金5万円のグッド・パフォーマーは中村昭太となった。尚、地元茨城勢は女子の折笠友子が3位と大健闘した。男子は小野嘉夫と岩淵優太が最高で13位だった。
この大会が開催される前日まで、波の無い日が続くことが恒例となっている。しかし、不思議なことに毎回、大会の開催と共に待ってましたとばかりに、うねりが押し寄せてくる。今回も同じ現象だった。このことは偶然の成り行きには違いないが全く不思議に思えてきて仕方がない。また、第17回目の大会の運営もスムースで事なきを得た。谷口絵里菜選手が優勝者のスピーチの中で語ったI.S.U並びに、この大会に対する感謝の言葉は、まさに茨城サーフィンクラッシックという大会の存在価値を適切に表現していたと感じた。来年、再来年と回を重ね末永くこの大会が続くことを願う。
(写真・レポート 石毛正昭)

順位表

ファイナリスト男子
RANK NAME 賞金
優勝 大橋海人 50万円
2位 仲村拓久未 -
3位 林健太
中村昭太
-
ファイナリスト女子
RANK NAME 賞金
優勝 谷口絵里菜 20万円
2位 庵原美穂 -
3位 和田純子
折笠友子
-
エクスプレション・セション
  NAME 賞金
ベストパフォーマー 林健太 10万円
グッドパフォーマー 中村昭太 5万円

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写真 石毛正昭