I.S.U クラシック 2012年

レポート


JPSAジャパンプロサーフィンツアー2016 ショートボード第7戦
第21回ISU茨城サーフィンクラシックさわかみ杯

 9月1日から4日までの日程で、今年度のプロツアー5戦目に当たるISU茨城サーフィンクラシックさわかみ杯が開催された。                
第一日目の1日は、プロトライアルが行われ、男子59名、女子9名が本戦出場権を得るために、オーバーヘッドの波に果敢に挑戦した。茨城からは大田友貴と野田修成が出場したが本戦には進出できなかった。男子11名、女子6名がプロ本戦への出場権を獲得した。
 第二日目の2日は本戦に入り、ラウンド1、ラウンド2が行われた。茨城勢は振るわず岩田隆二、関根建生、飛田剛がラウンド1で敗退した。ラウンド2には小野嘉夫、大田弥生、岩淵優太、石崎孝行が出場したが、大田、岩淵がこの時点で敗退してしまった。小野と石崎はこのヒートを無難にこなして次のラウンド3へと駒を進めた。また、女子の部に出場した折笠友子もラウンド1で惜しくも敗退してしまった。波のサイズは若干落ちて肩から頭、時折オーバーヘッドのうねりが押し寄せた。風は南東の右サイドからのオンショアだった。
 第三日目の3日は、第一日目に比べ、波はサイズダウンするものの、コンスタントに胸から頭程のうねりがブレークして、コンテストには何の問題も無くラウンド3,ラウンド4のヒートは予定通り進行した。風は右側から吹いてくる北東のオンショアに変わったが、ここまでの3日間は幸運にも雨に見舞われない天候が続いた。ラウンド3の第一ヒートでは大森海南人が悔しくも惜敗した。もう一本確実にスコアーをメークしたかった。第4ヒートでは、石崎孝行が流れの良いラインドライブから技を繰り出し、気持ちよく次のラウンド4へとアップした。第6ヒートは、小野嘉夫が試合巧者振りを発揮し、若い対戦相手をあしらう様に、いぶし銀のテクニックを繰り出して快勝し、ラウンド4へとアップした。シードでラウンド3の第8ヒートから出場した澤村康生は、もう一つの良い波を得られず、ここで敗退してしまった。
 第四日目、最終日の4日は、波はかなりサイズダウンして、腰から胸程度となり、さらに北東からのオンショアも、昨日に比べ強さを増していた。おまけに、晴れ間あり降雨ありの不安定な天候が、日中繰り返された。そんなコンディションの中、ラウンド4、ラウンド5,クウォーターファイナル、セミファイナル、ファイナルと戦いは続いた。この時点で勝ち残っている茨城勢は、小野嘉夫と石崎孝行だけとなってしまった。まず、石崎が第2ヒートに登場するものの、昨日までの切れがなく良い波を掴み切れず敗退していった。残る小野嘉夫は善戦するものの惜しくもここで敗れ去ってしまった。小野はこのヒートを最後に現役から退くが、最後の最後まで戦う姿勢を貫いてくれた。ヒート終了間際のバックサイドのリップアクションは、脳裏に焼き付いた、永遠に忘れ去ることができないシーンとなった。これですべての茨城勢は大会から姿を消してしまった。
最後まで勝ち残った男女2名ずつのファイナル・ヒートはまず女子からのスタートとなった。徳島の16歳、河合美乃里とハワイ育ちの17歳、西元萌・エミリの戦いとなった。序盤から中盤までは西元のペースで戦いは進んでいったが、後半に入るとがぜん河合が試合の指導権を握った。中盤の後半、河合はライトブレークの演技できる良い波を捉え、それを見事にメークして好スコアーを挙げた。逆転された西元は、その後、良い波に巡り会わずに、見ていて焦りが伝わって来るほどだった。その後は、リードした河合も良い波を得られず、ライディングは重ねるもののスコアーは伸びなかった。終了間際に、西元が技を絡めてインサイドまで乗り継ぐものの逆転はできなかった。スコアーは僅差で、河合が勝利を掴み取った。
男子のファイナリストは湘南の善家尚史とカルフォル二アから参戦の小林桂の戦いとなった。善家も小林もテークオフの回数は重ねるものの、良い波を得られず共にスコアーは伸びない。そんな戦いの中、善家の初盤の大きなカットバックを絡めたライディングのスコアーが最後まで影響し、結局これがウイニング・ライドとなり喜びの初優勝となった。この時の波の状態は、最悪と言って良いだろうが、2人のファイナリストの熱い思いが観衆に伝わったようで、ギャラリー達の興奮は最高潮に達していた。
毎年恒例の「エクスプレス・セッション」は波の状態が悪いとISU側が判断を下し今大会の中止が決定された。 
 「第21回ISU茨城サーフィンクラシックさわかみ杯」が無事に終了した。4日間に渡る長い戦いだった。優勝した善家尚史、河合美乃里の両選手、おめでとう。そして大会を運営する方々には、素晴らしいサーフィンを見せて頂く機会を作ってもらいとても感謝しています。第22回も良い大会になることを期待して止みません。最後に、この大会で現役を退いた小野嘉夫君に感謝したいと思います。色々な意味合いで私たちを楽しませてくれたこと「ありがとう」。


(写真・レポート 石毛正昭)

順位表

ファイナリスト男子
RANK NAME  
優勝 善家 尚文  
2位 小林 桂  
3位 田中 樹  
ファイナリスト女子
RANK    
優勝 川合 美乃里  
2位 西元 萌 エミリ  
3位 橋本 恋  

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