レポート
第22回ISU茨城サーフィンクラシック
この大会も22回目の開催となったが、その中でもこの大会は、記憶に残る一つとなっただろう。大会3日目の始まる前夜、沖合を通過した低気圧が大洗にビッグスウェルをもたらした。3日目の試合開始前の早朝の海では、セットでトリプルくらいのサイズがブレークしていた。大会を通して風は、風力2~4の北及び北東のサイドショアだった。
晴れ間のない天気とは関わらず、ビッグウエーブとなった3日目からの大会の選手たちのライディングを見ていると、見ている誰にでも選手たちのフアイティングスピリットが伝わって来ているようで、すべのてのギャラリーが食い入るように観戦していた光景は目に焼き付いている。
茨城勢では、大会3日目の4R まで勝ち進んでいた大森海南人と澤村康生が、ここで敗退した。澤村はビッグウエーブの中、かなり善戦したがラウンドアップには及ばなかった。次に行われた5Rでは、田中樹、大澤信幸、善家尚文、小川直久、大野修聖たちが姿を消してしまった。
大会4日目の6Rでは、仲村拓久未、松下諒太、最後まで残っていた茨城勢の高梨直人などがここで敗れた。
クオーターファイナルファイナルでは、田中英義は加藤嵐に、山中海輝は安井拓海に、田中大樹は西修司に、河村海沙は安室丈に、それぞれが敗れた。特に、田中大と西の対戦は大接戦となった好ゲームだった。
セミファイナルの第1ヒートは、素晴らしい好ゲームだった。加藤嵐対安井拓海。頻繁に来るセットで、ダブルと言うサイズの中での戦いは、見ている者には刺激的に映ったことだろう。敗れはしたが安井の攻めるサーフィンには、今後の彼の大きな活躍が予感された。第2ヒートは、16歳以下のワールドチャンプの安室丈が、西修司をスピードで圧倒して大差で勝利した。
レディス部門に茨城から、ただ一人出場した折笠友子は、善戦したが1Rで敗退してしまった。続く2Rでは、優勝候補の筆頭、河合美乃里がまさかの敗退をきした。
ビッグウエーブで行われた、レディスのセミファイナルの第1ヒートは、西元ジュリが、好調に勝ち進んできた野中美波を、僅差で降した。このゲームもまた、二人共に攻めるサーフィンで、応酬しあった好ゲームだった。次の第2ヒートは、波に乗りあぐんだ庵原美穂を、橋本恋のラインドライブが上回った。
レディスのファイナルは、西元ジュリと、これまでの対戦では分の悪い相手の橋本恋。最初から最後まで、全開で戦った西元のパワーとタフさがスコア-に表れ、橋本恋に大差を付け優勝した。
メンズのファイナルは、加藤嵐対安室丈。波のサイズは、時折、ダブルオーバーヘッド。日本で行われる決勝戦の舞台としては、最高に良い波の大きさだろう。終始先行して、流れを渡さなかった加藤が、最終的にスコア-上では、安室に大きく差を付けて、このゲームに勝利して優勝した。この大会では、加藤の安定してスコアーの出せるサーフィンを上回る選手は、一人もいなかった。
尚、技を競い合うエクスプレス・プレッション・セッションのベストパフォーマー賞は、仲村拓久未、グッドパフォーマー賞は、安井拓海がそれぞれ獲得した。大会を通しての敢闘賞には、田中大貴と宮坂莉乙子が選ばれた。
大会は無事終了した。良い大会の印象を残したと思っている。大会後半に押し寄せてきたビッグスゥエルが、大会の良し悪しを大きく左右したことは言うまでもない。波のあった大会として記憶に残る大会になった第22回目の大会でした。
(写真・レポート 石毛正昭)
順位表
ファイナリスト男子 | |||
RANK | NAME | ||
優勝 | 加藤 嵐 | ||
2位 | 安室 丈 | ||
3位 | 安井 拓海 西 修司 |
ファイナリスト女子 | |||
RANK | NAME | ||
優勝 | 西元 ジュリ | ||
2位 | 橋本 恋 | ||
3位 | 野中 美波 庵原 美穂 |
エクスプレション・セション | |||
NAME | |||
ベストパフォーマー | 仲村 拓久未 | ||
グッドパフォーマー | 安井 拓海 |